今回はバルブの起源について少しおはなしを。
配管には必ずバルブというものが必要です。配管の中を通る流体(液体・気体・粉体)の制御を行うためです。
配管を道路に例えるならば、バルブは信号機。信号が車の流れを制御するのと同じですね。
住宅・店舗・ビルなど配管を必要とする建物であれば必ずバルブは設けられています。住宅であれば水道メーターの止水弁。トイレの中の止水栓。また給湯器への給水バルブ。ガスコンロのガスコックなど。店舗やビルなどは給水に限らず冷温水・蒸気・冷媒・エアーなどなどあらゆる流体のためにバルブが必要です。
普段はあまり目にしないかもしれませんが、どの建物でも必ず存在し、誰の目にも留まらずにその役目をひっそりと果たしている縁の下の力持ち。
とても重要な存在です。
しかし、このバルブ(止水弁)は何個も部品が組み合わさっていて構造が複雑そうですがいつ頃から使われていたのでしょうか?
この写真はAD37年頃の古代ローマ時代に使われていたという青銅製のコック(止め弁)の遺物です。およそ2000年前。実はこのころにはもう流体を制御出来る弁が存在していました。
構造は中心に弁体の栓がありその栓には四角い通過穴が開いています。現在のボール弁と同じように弁体を弁箱の中で90度回すと通過穴が閉じて水が止まる、という構造でした。古代ローマの金属をぴったり摺り合わせる技術が可能にしたコックですね。
このコックは青銅製で2000年ほど経っています。保存環境も良かったのだと思いますが青銅は耐腐食性がとても良いんですね。
コックの横から出ているのが配管に繋げる繋ぎ口。ここに鉛管を鉛を溶かして溶接していたようです。
古代ローマのコックの構造は現在のボールバルブなどの造りと大きく変わらないのも驚きです。
おそらくですが、この古代のコックが現在のバルブ類の起源ではないのかと言われているようです。それだけローマはインフラの技術も進歩していたということですね。
簡単にですがバルブの起源のおはなしでした。
ではまた。
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